世界の終わりを目にしたい
「世界、終わらないかな」
そんな言葉を何度心で口にしたところか。
最近嫌なことが色々とあり、小さな絶望を抱えていたところ、目にしたのがこちら。

…わーお。
古めかしいサイトに出てきたのは、美しくも不気味な少女。
「世界の終わり、見たいでしょう?」
そんな言葉に誘われて六本木ミュージアムまで足を運ぶことになりました。
最寄りは六本木駅、或いは麻布十番駅。
私は麻布十番から行ったんですけど…暑い。
ここって、世界の終わりではないですよね?

なんだか、素敵な神社がありました。
お参りをしたら不思議な力を貰えたような気がします。
思ったより急な坂…その名も鳥居坂を歩くこと数分…
(鳥居は昔の大名の名前みたいで、神社は全然なかったです)

…なんかある。
すぐ隣に小学校あるけど、怖くないかな小学生。
あ、夏休みか。

中もオカシな看板が続いてます。
建物入る前にこういうのあると凄くワクワクしますね。
キケンなのか、安全なのか。
不気味な看板に背中を押されて中へ…。
終末の少女に導かれて
中に入ると……す、涼しい。
展覧会の入り口はすぐ近くで、迷う事はなかったです。
若い方が多く、友人やカップル(かな?)が中心でしたね。
小学生の親子なんかも来てました。
チケットを渡して…説明を受けます。
最初の部屋と一部展示以外は撮影可能とのこと。
最初の部屋を見る感じ…恐らく著作権的な問題ですね。
どこかでみたCDや商品がチラホラ。
1999年の家内が再現されていて、空気感マシマシといった感じですね。
ナンジャタウンとかを思い出す作り込み…。
ナンジャタウン…う、頭が。

案内されたのはこちらの部屋。
1999年、夏と言えばノストラダムスの大予言。
恐怖の大魔王アンゴルモアが地球に飛来するとか、なんとか。
丁度、今年の7月もある予言が話題になってました。
人間の進歩が感じられていいですね。
あ、私はこういうオカルト大好きですよ。
皮肉とか抜きに。
そんなことを考えてると。

…空が、おかしい。
次第にテレビを荒れていき、そこには。

謎の少女。
少女は語り掛ける「世界の終わり、見たいでしょう?」
私「見たーーーーい!!!!!」
あ、心の中で叫びましたよ。
そんな少女に導かれたのは電車

終末へと導く電車
これ、ほんとに細部まで作り込まれていて感動してます。
次々と景色の変わる電車は私たちを終末に導いてくれたみたいです。
電車はいいですね。
一種の「異世界の入り口」として機能している。
電車に乗ってたら異世界!みたいな展開好きなんです。

しっかりと切符も貰いましたよ。
…ブレブレで見ずらいですね。ごめんなさい。

行き着いたのは不気味な駅。
駅看板は視認不可。
誰もいないポツンとした光が、異物感を際立てます。

あ、アナベル人形?
こりゃあ……随分と……おお……凄いものを。
そして、次に現れたのは巨大な時計。

巨大な宗教的なオブジェに永遠と繰り返す時報。
床には赤色のロープが張り巡らされている。
「恐れ」というより「畏れ」に近い感覚。
クトゥルフ神話なんかで言われる冒涜的って感覚なのでしょうか。不思議ですね。
それから、人々の声が響く白いトンネルを抜けた先には……。

…綺麗。
世界の終わりがこんな景色なら、いいですね。いい。
全部終わった後に救いがあるなら、随分と神様は優しいですね。
…と、思ってたんですけど。

世界の終わりは優しくないようで。
暗いトンネルを進んでいくと、次第に壁面に赤い何かが見え始めます。
神様はやはり非情ですね。
恐怖や悔恨、それらを詰め込んだような歪な世界。
そして、その先に私を待っていたものは、少し広い部屋でした。

人の記憶でした。
どこかで世界の終わりの望んでしまった人達の記憶。

彼女は、子供を妊娠していたようです。
「赤ちゃんができた」ということに対する抱えきれない恐怖から、世界の終わりにホッとしてしまったと。
そのような心情が綴られていました。
しかし、彼女は世界の終わりをその目で見て、心変わりをしたようですね。
ここには、そんな人々の心がたくさんありました。
ペットの死、夢への挫折、仕事や就活、未来への不安
そんな人々が、少しだけ前を向けるように。

個人的に心に残った展示はコチラ。
ペットの金魚を亡くしてしまった小学生の心の成長が描かれていて、強く心を惹かれました。
そして、この先にある「最後の部屋」
終末の少女が語る 私へのメッセージ。
…そこは是非、自身の足でお確かめください。
独特な世界観や、クオリティの高い展示物。
「世界の終わり」というテーマながらも、最後は少しだけ前を向けるような、不思議な展覧会でした。

無事、帰還。
もうちょっとだけ続く。1999展の世界

……◯ィレ◯ァン?
展覧会を終えた先にはポップアップストア。随分と雰囲気の変わったグッズ達がお出迎え。

なんか雰囲気変わってませんか?
もっと…こう…幻想的な身姿をしていらしたような….。

ご安心を。このビジュアルの彼女のグッズもあります。
私が購入したのは、彼女のハガキとクリアファイル。
赤い表紙の小説は無料で頒布されているものです。中身もとても興味深い内容になっているので、是非。

建物を出ると外にはフードトラックが!
近くには椅子も用意されてましたが…まあ、暑さが原因か、並んでいる人はおらず。
中の喫茶店は結構人が入ってましたよ。

私が食べたのはコレ。
チョコレート風味のどこか不気味なチュロスです!
甘くて美味しい…んですけど。
あれ。
このメニュー公式サイトに載ってない。
あれ?
私が食べたモノは一体……?
最後に
1999展。
音や光の演出、作り込まれた展示品。
不気味ながらも、どこか優しいような世界観。
どれをとっても素晴らしい展覧会でした。
「世界なんて滅んでしまえ!」という残虐で子供らしい思考を受け止めつつ、少しだけエールを貰えるような。
そんなメッセージを勝手に感じ取りました。
……辛い事ばかりですが、もう少し頑張ろうと思います。
雰囲気こそは不気味なものの、ジャンプスケア(いわゆるビックリ要素)や、後からじわじわ来る怖さ……みたいなものは無かったので、怖いの苦手な人でも楽しめるかと。
2025/9/27まで開催中なので、興味の湧いた方は是非。
こういうのは自分で体験するに限ります。
あ、そうそう最後に一つ。

最後の最後にいる猛毒ヘビには注意!